日本で小型機と聞くと、一般にはセスナのような軽飛行機を思い浮かべる人がまだまだ多いようだ。離島の生活路線の飛行機になじみのない都会の人々には、特にその傾向が強い。もうひとつの理由は、大手エアラインが大型機を派手に宣伝し、競って導入してきたために、「大型機ほど乗り心地がよい」とのイメージが定着し、小型機が隅に追いやられていたことによる。
本来は五〇人乗りを「小型機」と呼ぶことはおかしなことである。「小型」「大型」は比較の問題だ。ジャンボ機に比べれば、はるかに「小型」だが、セスナに比べればはるかに「大型」である。現在日本では二〇〇席クラスを基準に、一〇〇-一五〇席クラスを「小型」、三〇〇席以上を「大型」と呼んでいるが、一九五〇年代は五〇-六〇人乗りを大型旅客機と呼んでいた。飛行機の発達とともに大小の使い分けが変化していることをお断りしておく。
欧米ではローカル線だけでなく、幹線でも小型機の需要が多いことから、小型のコミューター機の開発が活発に行われ、機体のサイズは小さいながらも機内は快適で乗り心地のよい飛行機が就航している。特にI〇〇席以下でもジェットエンジンを採用することができるようになって、プロペラ機特有の揺れや騒音がなくなった。機内の気密性が高まって耳の異常もなくなり、地上と変わらない環境が実現するとともに、気流の安定した高空を飛行できるなど、ジェット機のメリットを最大限に活用した機材が実用化した。その典型例が五〇人乗りのカナディアーリージョナルージェット(CRJ)だ。
日本でも航空自由化による規制緩和を利用して、一〇〇席以下の「ジェット機」を使った新しい路線が開発され始めたのは喜ばしいことである。最大の理由は、外国籍や、定年でいったん退職したパイロットなど、大手企業よりもはるかに安い給与でパイロットを採用できるようになったためだ。
規制緩和後、三番目の新規参入エアラインとなったフェアリンクは、CRTJ1100を使って二〇〇〇年夏から仙台i関西空港を一日三便で運航を始めたのを皮切りに、二〇〇二年までに四機を導入し、仙台を基地に小型機による多頻度運航を行う計画だ。
大河原社長は、「大手をデパートとするならば、コンビニ感覚で共存共栄を目指す。日本では小型機で運航すれば採算に乗る市場が未開拓なので、幹線を除くすべての路線を対象にネットワークを広げていく」と抱負を語る。
価格競争はせずに、旅客の利便性の向上を図るという。大型機では就航できない仙台―広島西飛行場(市内にある元の広島空港)、広島西-羽田などのほか、大手の便が少ない路線に一日最低二便を運航し、主に日帰りビジネス客の獲得を目指している。