日本の空の自由化はまだ始まったばかりだが、世界の空はすでに自由化真っ盛りだ。米国では、一九七八年に始まった。目的は、「米国経済の活性化」だった。
規制緩和による競争の促進を図ることによって、インフレを抑制しつつ活性化するとともに、財政の
健全化を図るために行政の効率化、官僚機構の縮小化を目指すという狙いがあった。
骨子は国内の航空事業を長年にわたって規制してきた民間航空委員会(CAB)の廃止を含め、経済的規制を三段階で廃止したことである。安全面で連邦航空局の規制・指導は受けるが、需要供給面での規制は緩和どころか撤廃された。
規制撤廃後のI〇年間に航空会社は、新たに二三三社が誕生し一九六社が消えていくという激しい競争にもまれたが、国内線の乗客は二億六七〇〇万人から四億五五〇〇万人へと七割も増加し、運賃割引による利用者の節約は、総額七五億ドルに達したと算出されている。
一方欧州の方は、段階的に規制を緩めていく自由化が特徴だ。自由化の先頭に立っている英国は、「消費者利益の保護のための、航空輸送のあらゆる分野への公正なJ餌争関係の導入」を掲げ、サッチャー政権は「原則規制なし」の自由化政策をドラスティックに進めた。欧州では規制緩和に慎重な国もあるが、EU全体で自由化を進めつつある。
日本では行政改革、経済構造改革の規制緩和の一環として進められてきた。特に旧運輸省が航空自由化を実践した背景には、省庁の中でもっとも多くの許認可権をもっていることが明らかになり、早急にマイナスイメージを払拭しなければならなかったからだ。
そのためには国民に成果をわかりやすくアピールできる分野として、まず航空が選ばれた。したがって、自由化のビジョン、国民の生活に果たす自由化の役割についての理論づけがまだ浅い。
いずれにせよ、世界の空は「自由化の時代」を迎え、エアラインも空港も激しい競争になっている。