2012年5月16日水曜日

日本とアメリカでは「フリーエージェント」になる土壌が違う

もっともホームオフィスについては、州や町によって条件が異なっています。ニュージャージー州内の多くの自治体では、自宅でフリーランスとして働くことやミニ企業を営むことが違法とされていて、ある自治体では、最高一〇〇〇ドルの罰金と九〇日間の禁固刑が科されているそうです。

このような地域による規制の他に、個人では医療保険に加入が難しいこと、税金が高いことなど、会社で働くことを前提にした従来の制度下にあることが挙げられています。

フリーエージェントになることについて、きわめて楽観的に書いていますが、アメリカではもともとよい条件を求めて会社を移るという風土があります。たとえば、勤続年数を比較すると、アメリカでは男性の平均勤続年数が七・五年、中位数(大きさの順に並べた時の中央にくる数値)が三・五年、日本では同じく平均が二五年、中位数が一〇年です。アメリカは一九九一年、日本は一九九〇年の推計。

アメリカでは会社を替わったり、独立したりすることに、社会も個人も抵抗が少ないので、ピンクさんのような主張も素直に受け入れられるのでしょう。

窒息するオフィス?

ここでアメリカの仕事の状況をみておきます。ジル・A・ブレイザー著「窒息するオフィス・・・仕事に脅迫されるアメリカ」という本の著者ブレイザーさんは一九五六年生まれのビジネスレポーターで、金融レポーターとして、「ニューヨーク・タイムズ」「フォーブス」などで活躍している女性だ。この本は読んでおくべきだと思う。

フリーエージェントが増える要因が揃っている

フリーエージェントが増える要因として、パソコン、インターネット、携帯電話の普及などにより、労働環境が変わり、どこでも(自宅でも)仕事ができるようになっていることはたしかです。アメリカでは、コーヒーショップのスターバックスをオフィス代わりにしている人も多いといいます。

スターバックス側もビジネス用のお客さんを一つのターゲットにしていて、この便を図っているのです。たとえば、マイクロソフトと組んで、スターバックスの店舗でインターネットにワイヤレス接続ができるようになっています。

ちなみに日本こワイヤレスブロードバンドに対応しているのは、二〇〇四年月時点で、全国約五〇〇店舗のスターバックスのうち二七店舗です。

その他にも、インターネットによって、営業、宣伝、受発注など、さらには人的関係作りもできるし、宅配サービス、私書箱センターの拡充もあり、自宅をオフィスにすることが可能になっていると書いています。